これまで登録商標を活用した食べ物のブランド戦略について、果実と穀物の例をご紹介しましたが、今回は、わたしたちの主食である「米」の例をご紹介します。
登録商標活用のメリット
登録商標活用のメリットをおさらいしましょう。
メリット1:保護期間の長さ
「品種登録制度」に基づく育成者権は25〜30年で消滅するため、登録品種名は一定期間が経つと誰でも使える名称となります。
一方、「登録商標制度」に基づく商標権は、更新すれば半永久的に存続させることができるため、更新により商標権が存続する限りは、商標権者が登録商標の使用を独占でき、その使用をコントロールすることができます。
メリット2:範囲の広さ
登録品種名の範囲は種苗、収穫物及び一定の加工品のみです。
一方、登録商標の範囲はこれらに限定されませんので、育成者権でフォローされない加工品やレストラン、観光農園などのサービス分野で保護することができます。
米における登録商標の活用事例
日本全国で栽培されている主な品種名の商標登録の状況を調べてみましたが、登録商標が活用されている例はまだまだ少ないのが実情ですね。
めんこいなⓇ
秋田弁で「かわいいな」を意味する「めんけえな」を語源とする「めんこいな」。
「ひとめぼれ」と「あきた39」という品種を掛け合わせて育成された登録品種「秋田59号」の名称です。
粘りが少なくあっさりとした食味で、「あきたこまち」より収量が約1割多く、業務用や加工用に適しているということです。
品種について – ごはんのふるさと秋田へ (akita.lg.jp)
ゆめみづほⓇ
みずみずしい稲穂を意味する“瑞穂”と夢を組み合わせた、「瑞穂の国の、夢のあるお米」という意味を込めて名づけられた「ゆめみづほ」。
コシヒカリの血統を持つ「越南154号」と「ひとめぼれ」を掛け合わせて育成された登録品種「石川43号」の名称です。
ほどよい粘りとおいしさが自慢ということです。
ゆめみづほ|お米|とれたて大百科|食や農を学ぶ|JAグループ (ja-group.jp)
ふさこがねⓇ
千葉県の房総の「ふさ」と、稲穂が黄金色に実る様子をイメージする「こがね」を組み合わせて名づけられた「ふさこがね」。
「中部64号」と「ふさおとめ」を交配して育成された登録品種「千葉28号」の名称です。
粒が大きく、ふっくらとした炊き上がりが魅力で気象変動や病害にも強いのが特徴とのことです。
お米のはなし | JAグループ千葉 (ja-chiba.or.jp)
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