海外での商標登録に利用されるマドリッド制度の2023年の利用に関する年次報告が公開されました。
世界における日本経済の位置づけが低下していると言われていますが、出願数上位100位の中に日本企業は何社入っているのでしょうか?
マドリッド制度とは
「マドリッド制度」は、複数の国や地域での商標の保護を一括して管理することができる、マドリッドプロトコルという国際条約に基づく制度です。
海外で商標登録をする場合、従来は各国に個別に出願する方法しかありませんでした。
ですが、日本がマドリッドプロトコルに加盟したことにより、各国で異なる手続や言語を経由しなくとも、マドリッド制度を利用をすることによって、それぞれの国に保護を求めることができるようになりました。
ただし、「マドリッド制度」を利用することができるのは、マドリッドプロトコルの加盟国に限られます。マドリッドプロトコルには、現在131カ国が加盟していますが、台湾や香港などの加盟していない国もありますので、利用の際は注意が必要です。
アジア諸国による出願のシェアは23.8%
2023年に出願された国際商標出願数は64,200件。2022年よりも7%減少しています。
2023年の出願のうちの23.8%はアジア諸国からの出願で、アジア諸国の出願は過去10年間の中で、全地域を通じて最大のパーセントポイント上昇となりました。
出願数1位は?
2023年の出願数1位は、フランスのロレアル (L’Oréal)社で199件でした。フランスのロレアル (L’Oréal)社の1位は3年連続です。
2位は、BMWで知られるドイツのバイエリッシェ・モトーレン・ヴェルケ(Bayerische Motoren Werke AG)社です。また、3位はスロットゲームのプロバイダーとして知られるブルガリアのユーロ・ゲームズ・テクノロジー(Euro Games Technology Ltd.)でした。
上位100社に入った日本企業は?
2023年の出願件数トップ100位に入った日本企業は下記の8社です。
順位 | 企業名 | 2023年出願件数 |
7位 | 資生堂(Shiseido Company, Ltd) | 103 |
8位 | ミズノ(Mizuno Corporation) | 79 |
14位 | 任天堂(Nintendo Co., Ltd.) | 55 |
44位 | コーワ(Kowa Company Ltd) | 27 |
57位 | サントリー(Suntory Holdings Limited) | 24 |
64位 | バンダイ(Bandai Co., Ltd.) | 23 |
86位 | シマノ(Shimano Inc.) | 20 |
98位 | パナソニック(Panasonic Holdings Corporation) | 19 |
なお、アジア勢としては、上位30位中に、中国のファーウェイ(Huawei Technologies Co., Ltd.)が78件で9位に入っています。また、韓国のサムスン(Samsung Electronics Co., Ltd.)が35件で27位、ヒュンダイ(Hyundai Motor Company)が34件で28位に入っています。
日本企業、健闘していますね。
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