流行の波に乗って、使ってみましたChatGPT!
そこで、今回はChatGPTが教えてくれたテーマの一つ、「商標のオープン化」についてお伝えします。
なお、ChatGPTを使用したのはテーマ選定段階のみであり、この記事は私が執筆しています。念のため…。
商標のオープン化とは?
「商標のオープン化」。
現在、それほど多く使われている言葉ではなく、いまのところ決まった定義はないようです。
他方、知的財産権の分野で「オープン」といえば、「特許のオープン戦略」という言葉を思い出します。
「特許のオープン戦略」は、自社の技術の利用を他社に許諾したり技術情報を公開したりすること、つまり特許技術をオープンにして、技術の標準化等を図り、積極的に当該技術の市場を拡大するビジネスの手法です。
ということで、ここでは「商標のオープン化」について、「通常であれば商標権者しか使用できない登録商標の使用を広く他者に認めて、その登録商標に関連するビジネスの市場の拡大を目指すもの」として、話を進めていきたいと思います。
商標のオープン化の例
最近では「商標のオープン化」をうたってプレスリリースする例が出てきています。
・登録商標「ティーマリアージュ」(商標登録第6530661号)
「ティーマリアージュ」は、スマートフォンアプリと連携してお茶を自動抽出する「teploティーポット」を販売する株式会社LOAD&ROADの登録商標です。
「ティーマリアージュ」は、お茶とフードとの取り合わせを楽しむ、お茶の楽しみ方の1つの概念ということで、その「ティーマリアージュ」がより広く浸透し発展していくことを願って、誰もが将来にわたって安心して使い続けられることを目的に同社が商標登録したとのことです。
ティーマリアージュ 理論編① 3つのアプローチで楽しむティーマリアージュ - Teplo (teplotea.com)
株式会社LOAD&ROADは、「ティーマリアージュ」の使用について次のように規定しています。
登録商標の権利者は弊社となりますが、誰もが安心して利用できることを目的とした商標登録のため、だれでも広く利用していただけます。
使用にあたり、商標権者の登録商標文の記載は不要です。ただし、「ティーマリアージュ」の信用を毀損する態様、および商標権者の名誉・声望を害する態様では使用できません。
LOAD&ROAD、「ティーマリアージュ」の商標登録を完了し、オープン化を実施【LOAD&ROAD】|食品業界の新商品、企業合併など、最新情報|ニュース|フーズチャネル (foods-ch.com)
・登録商標「ボイスメディア」(商標登録第5876632号)
「ボイスメディア」は、音声プラットフォーム事業等をてがける株式会社Voicyの登録商標です。
「ボイスメディア」は、ブログや記事が声で聴くことができるメディアに関する商標で、「ボイスメディア」が広く一般に利用され、音声業界がさらに発展していくことを期待して、オープン化することにしたとのことです。
株式会社Voicyは、「ボイスメディア」の使用について次のように規定しています。
【当該商標権の使用方法】
下記登録商標文の記載をして頂きますようお願い致します。
「ボイスメディアは株式会社Voicyの登録商標です」
【当該商標権の使用条件】
「ボイスメディア」の信用を毀損する態様、および商標権者の名誉・声望を害する態様では使用しないこと
Voicyは、日本の音声産業の発展を願い、商標「ボイスメディア」の権利をオープン化します | 株式会社Voicy
ご当地キャラクターも商標のオープン化⁈
上の2つの例のように、オープン化と明示されてはいませんが、ご当地キャラクターの中にも、自治体がキャラクターの名前や絵柄を商標登録したうえで、無償で使用を許諾している例が少なからずあり、これらもご当地キャラクターの普及を目的とする、商標のオープン化の一例といえると思います。
・熊本県ご当地キャラクター「くまモン」
くまモンのイラストの利用にあたっては、熊本県への「PR事業者登録」と「利用許諾申請」が必要とのことです。
国内利用申請 / くまモンオフィシャルホームページ (kumamon-official.jp)
・栃木県佐野市ご当地キャラクター「さのまる」
さのまるのイラストを使用する場合は、佐野市に申請書当を提出する必要があるとのことです。
さのまるのデザインを使いたい/佐野市 (sano.lg.jp)
安心して商標を使うことができる環境をつくる!
だれもが自由に使っていた「ゆっくり茶番劇」が第三者に商標登録された騒動は、記憶に新しいと思います。
このように、商標登録されていないものは、誰かが商標登録してしまうかもしれないという不安がつきまといます。
商標のオープン化は、その不安を解消して、商標を安心して使用できる環境をつくることでビジネスの拡大を狙う戦略です。
今後、商標のオープン化戦略が広がっていくか、注目です!!
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