先日「『東京島酒』ブランド化へ 焼酎で18年ぶりGI指定」というニュースを目にしました。
GIは「地理的表示(GI:Geographical Indication)」のことなのですが、「あれ?お酒もGIなの?」と思った方がいるかもしれません。
そこで、今回はお酒を含めた地理的表示(GI)のお話です。
地理的表示(GI)とは
地理的表示(GI:Geographical Indication)とは、その地域ならではの特性を持つ産品の名称のことです。
日本には、地理的表示、すなわち、地域の共有財産である酒や産品の名称を保護する地理的表示制度があります。
地理的表示制度によって保護される地理的表示については、不正使用があった場合行政が取締りをしてくれます。
また、地理的表示は、日本国内だけでなく、国家間の約束によって海外で保護される場合があり、例えば、日本とEUは日EU経済連携協定を締結しているため、2024年2月時点で、日本の地理的表示108点がEUで保護されています。
酒類と農産品は管轄が違う
地理的表示であっても、酒類と農産品は管轄する省庁が異なり、対象産品や保護される名称が異なります。
酒類の地理的表示(GI) | 農産品の地理的表示(GI) | |
管轄 | 国税庁 酒類の地理的表示|国税庁 (nta.go.jp) | 農林水産省 地理的表示(GI)保護制度:農林水産省 (maff.go.jp) |
対象産品 | 4種類の酒類 ・清酒 ・ぶどう酒 ・蒸留酒(焼酎・泡盛) ・その他の酒類(リキュール) | ・酒類を除く飲食料品 (生鮮食品・加工食品で農林水産物を原材料とするもの) ・非食用の農林水産物 (観賞用の植物・魚、真珠等、政令で指定されたもの) ・非食用の農林水産物加工品 (飼料、漆、生糸、畳表等、政令で指定されたもの) |
保護される名称 | 酒類の「正しい産地」+「一定の基準」を満たして生産されていることを示す「産地名」 | 地域と結びついた特性を有する産品の名称 ※地名を含まないが地域と結び付きのある名称も登録できる。 |
GIの例 | 壱岐、球磨、琉球など 酒類の地理的表示一覧|国税庁 (nta.go.jp) | 市田柿、神戸ビーフ、越前がに など 登録産品一覧:農林水産省 (maff.go.jp) |
酒類の地理的表示
国税庁管轄の酒類の地理的表示の対象産品は、清酒、ぶどう酒、蒸留酒(焼酎・泡盛)、その他の酒類(リキュール)の4種類です。
酒類の地理的表示は、酒類がその場所で一定の基準を満たして生産されていることを示す、壱岐、球磨、琉球、白山、山梨、北海道などの産地名です。
農産品の地理的表示
農林水産省管轄の農産品の地理的表示の対象産品は、酒類を除く飲食料品のほか、非食用農林水産物(観賞用の植物・魚、真珠など)、非食用農林水産物加工品(飼料、漆、生糸など)まで幅広いものとなっています。
農産品の地理的表示は、地域と結びついた特性を有する産品の名称ということで、市田柿、神戸ビーフ、越前がに、あおもりカシス、但馬牛、神戸ビーフ、夕張メロンなど、地域名と産品の名称を組み合わせたものが多くなっています。
また、農産品の地理的表示制度においては、真正な地理的表示産品であることを証する「GIマーク」があり、登録された産品の地理的表示と併せて使用されます。
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