こんにちは。つじのか国際商標事務所の弁理士の杉田です。
商標登録は、ブランドを守るために不可欠なステップです。しかし、手続きの知識が不足していたり、注意を怠ると登録に失敗してしまうことがあります。
今回は、失敗事例をもとに、商標登録の注意点と成功へのヒントをお伝えします。
1.よくある失敗事例
失敗事例1:似たような商標が既に登録されていたケース
新商品のネーミング「セレニティ」を出願したが、「セレリティ」という商標が既に登録されており、類似と判断されて拒絶された。
商標同士が似ている場合も登録が認められません。
「セレニティ」と「セレリティ」は、「ニ」と「リ」の母音が同じ「イ音」であるため、発音したときに紛らわしいと判断されることがあります。
失敗事例2:商品の説明にすぎないとして拒絶されたケース
便利な機能を有する新商品のネーミング「スグレータ」を出願したが、「商品の内容が優れている(優れた)」という商品の特徴を説明するにすぎないとして拒絶された。
商品やサービスの説明になっているネーミングの商標登録は認められません。
インターネット等でよく使われている言葉も要注意です!
失敗事例3:必要な商品分野で登録していなかったケース
「にんじん」のネーミングを第31類「野菜」分野で商標登録していたので、同じネーミングを使って、そのにんじんを使った野菜ジュースを販売しようとしたが、第32類「野菜ジュース」分野では、別の人が商標登録しており、野菜ジュースには使えなかった。
商標登録は「商標」と「分野(指定商品・指定役務)」のセット。
「分野(指定商品・指定役務)」は権利範囲を決める重要な要素です。
将来の予定も含めて検討しましょう。
2.失敗を防ぐための事前準備
(1)商標調査の徹底
- 無料データベース「J-PlatPat」を利用して、同一だけでなく、類似している商標が登録されていないかを調べる。
- Google検索などで登録しようとするネーミング等の使用状況をチェックする。
- 調べ方がわからないとき、不安があるときは、専門家に調査を依頼するのも選択肢の一つ。
(2)適切な分野の選択
- 「分野(指定商品・指定役務)」は、現時点だけでなく、将来の予定も視野に入れて検討する。
- 同業者の商標登録を参考に「分野(指定商品・指定役務)」を検討する。
(3)ビジネスの実態との整合
- 出願する商標や「分野(指定商品・指定役務)」が実際のビジネスに即したものかを確認する。
※登録商標をきちんと使用しているつもりでも、実際に使っている商標が登録商標とは異なっていたり、商品・サービスが登録している内容とズレていたりすると、「不使用取消審判」によって商標登録が取り消されてしまうことがあるためです。
3.成功する商標登録のポイント
(1)オリジナリティのあるネーミングを考える
オリジナリティのあるネーミングは、それを考え出すのに労力は必要ですが、オリジナリティがある分、同一・類似の登録商標が存在する可能性や商品の説明であると判断される可能性が低くなり、商標登録の可能性が高くなります。
(2)早めの出願を心がける
商標登録は早い者勝ちです。いくら先に使っていても、他人に先に商標登録されてしまうと使えなくなってしまいます。
できれば公開する前に出願しておきましょう。
(3)迷ったときは専門家に相談する
商標登録しようと思っても、わからないこと、疑問に思うことがあって前に進めないことってあります。
そんなときは、専門家に相談してみてください。やるべきことや進むべき道が見えてくると思います。
4.まとめ:失敗事例から学び、確実な商標登録を目指そう!
商標登録の失敗は、事前準備と知識で防ぐことができます。
本記事を参考に、失敗しないためのポイントを押さえて、ブランドの基盤をしっかり築きましょう。
商標登録についてもっと知りたい方は、つじのか国際商標事務所までお気軽にご相談ください。
初めての方でも安心して進められるよう、丁寧にサポートいたします。
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