
こんにちは。
今回は、過去に成功した有名な造語のネーミング戦略を分析し、どのようにしてブランドの価値を高めたのかを深掘りします。
「ヒット商品に学ぶネーミングのつくり方」「オリジナルのネーミング、造語を考えるコツ」の続編として、具体的な成功例を交えて解説します。
はじめに:なぜ造語はブランド成功のカギなのか?
造語はオリジナルの言葉であるため、下記のようなメリットがあり、その独自性からブランド化が図りやすいというメリットがあります。
- 造語は、ブランドの独自性を際立たせ、消費者の記憶に残りやすくする
- 検索エンジン対策(SEO)に有利:他と差別化された造語は検索上位に入りやすい
- 商標登録のしやすさ:一般的な単語よりも、造語は商標登録がしやすい
1. 成功した造語のパターン別分析と事例
有名ブランドやヒット商品に共通する「造語のパターン」を分類し、それぞれの成功事例を解説します。
① 意外な組み合わせによる造語
〈特徴〉
- 一見関連がない単語を組み合わせることで、独自の印象を生み出す
- 意外性があるため、消費者の関心を引きやすい
〈成功事例〉
・「サントリー」(「Sun(太陽)」+「鳥井(トリイ:創業者の苗字)」 )
日本語の発音に馴染みやすく、明るくポジティブな印象を与える
・「ドコモ(docomo)」(Do Communications Over the Mobile Network)
「どんなときも、どこでも」と響きを掛けた、日本人に馴染みやすいブランドネーム
② 外国語風の造語
〈特徴〉
- 国際展開を視野に入れたグローバルな響き
- 発音しやすく、記憶に残りやすい
〈成功事例〉
・「ユニクロ(UNIQLO)」(Unique + Clothing)
当初は「Unique Clothing Warehouse」だったが、略称がブランド名として定着
シンプルで発音しやすく、世界展開にも適した名称
・「パナソニック(Panasonic)」(Pan+Sonic)
「Pan(汎、あまねく)」と「Sonic(音)」という言葉の組み合わせ
グローバルブランド名として、幅広い地域・商品で使用される
③ 擬音語・擬態語を活用した造語
〈特徴〉
- 音の響きによる感覚的なイメージを与えやすい
- 子ども向け商品などで効果的
〈成功事例〉
・「ファーファ」(「ふわふわ」から)
柔軟剤の仕上がりの良さ「ふわふわ」を連想させる
愛らしいクマのキャラクターとともに親しまれている
・「ガリガリ君」(氷をかじるときの音「ガリガリ」から)
「ガリガリ」でほぼ決まりかけていたが、「じゃあ、『君』を付けようよ」との当時の専務の提案が採用され『ガリガリ君』に。
マスコットキャラクター「ガリガリ君」は「永遠の小学生」
④意味を持たない造語の強み
〈特徴〉
- 既存の言葉に縛られず、まったく新しいブランドイメージを作れる
- 商標登録のしやすさが格段に上がる
〈成功事例〉
・「Google(グーグル)」(数学用語「googol」から)
「googol(ゴーゴル)」は、1 の後に 0 が 100 個並んだ値 を意味する数学用語
ドメイン名を登録する際、間違えて「google.com」と登録してしまったことからそのままGoogleと言われている
・「Kodak(コダック)」(意味を持たない響きの良い造語)
「K」が力強く印象に残る音として選ばれた
世界中で発音しやすく、記憶に残りやすい
2. 成功事例から学ぶ「売れる造語」の共通点
上記の事例をもとに、成功する造語のポイントを整理します。
・ シンプルで覚えやすい
3〜4音節程度が理想(例:「Google」「ユニクロ」)
・発音しやすく、リズムが良い
言いやすい音の組み合わせ(例:「サントリー」「ドコモ」)
・視覚的・音のイメージが明確
例:「ファーファ」「ガリガリ君」
・商標登録を意識する
一般名詞を避け、オリジナリティを持たせる(例:「Kodak」「Google」)
・ターゲット層に合った響き
子ども向けなら柔らかく可愛い響き、大人向けならシンプルで洗練された響き
3. 造語を考えるときの具体的な手順
①ブランドのコンセプトを整理する
何を伝えたいか?どんなイメージを持たせたいか?
②上記の造語パターンを活用しながらアイデアを出す
既存の言葉を組み合わせる、擬音を取り入れる、意味のない単語を作る
③発音・響きを確認し、いくつかの候補を絞る
口に出してみて、言いやすさをチェック
④商標登録が可能か調査する
事前に商標データベースで類似名称がないか確認
→無料データベース「J-PlatPat」でチェック
まとめ:造語戦略をビジネスに活かす
- 造語を活用して、市場で際立つブランドの確立を目指す
- 成功事例から学び、自分のブランドに合った造語を考える
- 商標登録を意識して、独自のネーミングを作る
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